2003年のHPC(その六)
「平成の語り部」小柳義夫です。電子ジャーナルHPCwire Japan https://www.hpcwire.jp/
に連載中の『新HPCの歩み』は、本日2003年の最終回を公開しました。アメリカ企業の動き(その二)、ヨーロッパ、カナダ、中国などの動き、企業の起業です。
Microsoft社は、Windows 2000 Serverの後継として開発した小規模~大規模サーバ用のオペレーティングシステムWindows Server 2003を発売しました。Hewlett-Packard社は、夏の終わりに発表予定のMadisonプロセッサ搭載サーバにWindowsをインストールした「Superdome」の売り上げ増に期待を込めています。また、AMD64に対応したWindowsを開発していると発表しました。
Microsoft社は、ヨーロッパでは独占禁止法で、アメリカではJavaについてSun Microsystems社から訴訟を起こされています。
SIMDプロセッサを開発するために、2002年イギリスのBristolで創業したClearSpeed社は、「史上最速」の演算プロセッサを発表しました。
カナダでは、OctigaBay Systems社が、OpteronとFPGAを組み合わせたスーパーコンピュータを発表しました。翌年、Cray社に買収されます。
中国では、曙光やLenovo(聯想)が国内にスーパーコンピュータを設置しています。いずれも中国科学院計算機研究所からのスピンオフです。
第2回のChian HPC Top100が発表されました。年1回です。トップは中国科学院超級計算中心に設置された聯想製の深?6800で、Top500では14位です。
中国では国を挙げてグリッドを構築しています。提供はIBM社です。
次回は2004年に入ります。SC24のあと(おそらく11月25日)に連載を開始します。
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小柳義夫