2008年のHPC(その六)

「平成の語り部」小柳義夫です。電子ジャーナルHPCwire Japan https://www.hpcwire.jp/
に連載中の『新HPCの歩み』は、2008年の後半まで来ました。先週の2008年(j) (第271 回)では「国際会議」(その一)を、今週の2008年(k) (第272回)では「国際会議」(その二)と「ISC2008」を書いています。[今週号の公開が遅れていましたが、昼前に公開されました]

その前に、先々週3月9日に公開した2008年(i) (第270 回)ですが、5) University of Edinburghのところに、Edinburgh大学に設置されたHECToRに追加搭載されたCray X2のボードの写真を追加しました。Cray社の最後のベクトル演算器です。X2の写真は珍しいので、是非ご覧ください。出典はarchive.orgに収録されたCray社のページです。
https://www.hpcwire.jp/archives/103087 をご覧ください。

2008年も多くの国際会議が開かれました。わたしはほとんど出席していませんが、たまたまHorst Simonに誘われたので、Atlantaで開催されたSIAM PP 2008に出席し、パネル討論に参加しました。去年のSC25の会場より少し北です。ワインの入ったパネル討論で少々脱線しました。また、最終日の夜、Atlanta中心部を竜巻が襲いました。去年SC25の時毎日通ったオリンピック公園はめちゃくちゃになったようです。アメリカで竜巻は始終発生していますが、大都市の中心部を襲うことはまれだそうです。われわれのいたホテルは数分停電した程度でした。

第10回目となるCluster 2008はつくばで開催されました。

ISC2008はDresdenで開催されましたが、直前にLANLのRoadrunnerがLinpackで1 PFlops越えを達成したので、急遽臨時のパネル討論会が開催され、基調講演を行ったばかりの松岡聡氏もパネリストの一人として参加しました。コモディティなチップを搭載したハイブリッドなシステムがトップを取った意義を強調しました。

Top500では、トップ10位までの半数がRoadrunnerを始め新規のシステムでした。前回200位以下のシステムは今回のリストに入れませんでした。すごい更新率です。設置場所ではヨーロッパが増えています。日本のマシンの上位は、3つのT2KとTSUBAMEです。

前年から始まっているGreen500ですが、BlueGene/PとCellのオンパレードで面白くない。Green500は小さいシステムが有利ですが、RoadrunnerがTop500のトップでありながら、Grenn500でも3位に入っていることは注目されます。

次回の2008年(ℓ) (第273回)はSC08 (Austin)です。目玉はアクセラレータとエクサフロップスでした

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にあります。ご愛読を感謝します。

小柳義夫