****PACKの元祖Cowell氏死去

SwoPP-announceと重複します

昨日付けのNA Digest(Sunday, March 28, 2021 Volume 21 : Issue 11)によると、ANLにおられたWayne R. Cowell氏が2月24日に亡くなられたとのことです。1926年6月27日生まれなので94歳です。

Jack Dongarra, Jorge More, Brian Smith 3氏による訃報記事によると、owell氏は1971年に、ANLでthe National Activity to Test Software (NATS) というプロジェクトをNSFに認めさせ、最良のアルゴリズムに基づき、統一した様式で実装し、規則的な名称でサブルーチン集を開発するプロジェクトを始めました。各ルーチンは、各地のテスト・サイトに送られ、頑強性、信頼性、可搬性がテストされました。ここからEISPACKやFUNPACKが生まれましたが、さらにLINPACKやMINPACKなど多くの****PACKが続きました。Dongarra氏はANLの学部生インターンとしてEISPACKの開発に参加しました。

詳細は1991年のCowell氏のインタビュー(https://ethw.org/Oral-History:Wayne_Cowell)を参照。

YouTubeにどこかのキリスト教会(エピスコパル?)での氏の葬儀(2月27日)の動画があります。葬儀のEulogyで、かれがANLという国立研究所にいながらなぜNSFの研究資金を得られたのか不思議だ、と言っています。

ついでですが、小生がwww.hpcwire.jpに連載中の『新HPCの歩み』は1966年に入りました。通産省は、IBMのSystem/360に対抗すべく『超高性能電子計算機プロジェクト』を発足させます。ANSIはFORTRAN66を制定します。IBMのDennardはDRAMを発明します。

小柳義夫