1972年のHPC

HPC界のみなさま

SWoPP-announceと重複しましたらご容赦ください。

電子ジャーナルHPCwire Japan  https://www.hpcwire.jp/
に掲載中の『新HPCの歩み』は1972年に入りました。2回に分けて掲載します。

今週号(https://www.hpcwire.jp/archives/46476
では、通産省の強力な指導の下に、コンピュータ産業の再編成が行われます。通産省は、国策会社1社を作る計画でしたが、産業界の反対で3グループとなりました。1社統一が実現していたらどうなったでしょう。東大には8800/8700が設置され、翌年4月共同利用が始まります。現在も続いている宿泊型研究会「数値解析シンポジウム」の前身、「数値解析研究会」の第1回が始まります。

来週号は、海外の動きです。前からICPP (International Conference on Parallel Processing)の始まりが不明でした。サーチエンジンで「ICPP」を検索しても「IPCC」のお間違いでしょう、と勝手に変えられてしまいます。実は最近、1972年にSagamore Computer Conferenceという名前で始まっていたことを見出しました。ICPPを名乗るのは第4回からです。また、ILLIAC IVがやっと稼働し、TI社がベクトルコンピュータASCを出荷し、Goodyear Aerospace社はSTARANという連想記憶をもつSIMDを出荷します。IBM社はS/370の大型機を発表し、今後仮想記憶を標準的にサポートすると宣言します。Intel社は8008を発売します。1972年には、C言語が開発され、COBOLがISO規格となり、Prologも開発されます。Whetstone benchmarkもこの年作成されます。Seymour CrayがCDC社を退社し、Cray Research社を創立します。

ご笑覧ください。

小柳義夫@高度情報科学技術研究機構