1975年のHPC
HPC界のみなさま
SWoPP-announceと重複したらご容赦ください。
電子ジャーナルHPCwire Japan https://www.hpcwire.jp/
に掲載中の『新HPCの歩み』は1975 年に入りました。2回に分けて掲載します。
東京大学大型計算機センターは、公衆網TSSのサービスを始めました。どこからでも電話を「音響カプラ」でつなぎ、300bpsで通信できました。多くのセンターでも開始しました。なぜ直接電話線に接続しないかというと、当時「電話回線に電話以外の端末を許可なく電気的につないではいけない」という規制があったからです。詳細はリンクを張ってある村井、砂原、石田の座談会をご覧ください。電子メールも、郵便事業に害を与えるからと、きつく禁じられていました。
N-1ネットワークでは、東大の日立機と京大の富士通機とが、電電公社の通信網を使って実験的に接続されます。TCP/IPを越えるものを作ろうという意気込みはすごいのですが、実用化はまだまだ先です。
アメリカではARPANETが広がっています。現在は、NCPベースのプロトコルですが、Stanford大学とUniversity College Londonとの間でTCP/IPのテストに成功します。1983年には全面的にTCP/IPに切り替わります。
東北大学では、静止衛星を経由してハワイのALOHAnetにつなぎ、そこからARPANETにつなごうという試みが始まります。送受信機も自作です。
富士通は、System/370対抗の470V/6をAmdahl社と共同開発し、NASAに出荷しました。同じ技術でM-190も開発しています。日立はMシリーズ用のOSとしてVOS3を開発し、日本電気と東芝はACOS-4をリリースします。
1972年から開催されてきたSagamore Computer Conference on Parallel Processingは、本年からはICPPと名を変え、現在に続いています。
IBM社のJohn Cookeは、RISCの走りともいえるIBM 801の開発を始めます。
1975年4月4日、Bill GatesらによりMicrosoft社が設立されます。
小柳義夫