1990年のHPC(その一

20世紀の語り部、小柳です。電子ジャーナルHPCwire Japan  https://www.hpcwire.jp/
に掲載中の『新HPCの歩み』は、先週から1990年に入り、5回にわたって連載します。最初の2回分を御紹介します。

東京市場の株価は下がり始めましたが、まだ気分はバブルでした。ドイツ再統一の動きが進み、ポーランドでワレサ大統領が登場するとともに、フセインはクェートに侵攻します。

通産省のいわゆる「スパコン大プロ」は終了し、ピーク11 GFlopsの非均一並列ベクトル計算機PHIが、FNH三社の協力で完成しますが、市場にはすでにETA10やSX-3が登場していました。

日本でも商用超並列コンピュータへの動きが始まっていますが、成功したものは多くありません。今週号のアイキャッチは、忘れられた計算機「アンリツのDSV 6450」です。筑波大と開発したQCDPAXの商用版です。4台売れたそうです。

さて29日からHamburgでISC2022が始まりました。日本時間の今晩(30日)にはTop500等が発表されると思います。「富岳」を破るのは、ANLかLLNLか? はたまた中国か?

小柳義夫