1992年のHPC(その四)
HPC界のみなさま
二十世紀の語り部小柳義夫です。電子ジャーナルHPCwire Japan https://www.hpcwire.jp/
に掲載中の『新HPCの歩み』は、本日公開の「新HPCの歩み(第110回)-1992年(g)」で1992年(全7回)を終了しました。ご愛読を感謝します。先週と今週の記事を紹介します。
1980年代に創業した超並列ベンチャからは、MP-2(MasPar Computer社)やCM-5(Thinking Machines社)が出荷されますが、押しも押されぬ半導体の大企業のIntel社も、超並列機Paragonを出荷します。大企業の登場で、吹けば飛ぶようなベンチャ達はどうなるのでしょう。Alliant Computer社が倒産します。しかし、これはまだ序幕に過ぎませんでした。
高性能なマイクロプロセッサがいろいろ登場します。SuperSPARC(Sun Microsystems社)、PA-7100(Hewlett-Packard社)、R8000(MIPS Technologies社)、Alpha 21064(Digital Equipment社)、PowerPC 601(IBM社)などです。これらで超並列機を作れば鬼に金棒でしょう。
本誌(HPCwire Japan)の親誌であるHPCwire(米国)は、1992年9月2日に創刊されました。わたしはすぐ有料購読者($195/年)になりました。今年は30周年です。
今週号では、1992年時点で日本に設置されていたベクトルスーパーコンピュータ一覧を公開資料に基づいてまとめました。膨大なので間違いもあるのではないかと思います、ご教示ください。(「設置時期」の定義が、「搬入」「据え付け」「稼働」「検収」「運用開始」などあいまいです)日本設置の(商用)並列スーパーコンピュータについては1993年のところで一覧を示します。ご期待ください。
小柳義夫@RIST