2009年のHPC(その三)
HPC関係者の皆様
「平成の語り部」小柳義夫です。電子ジャーナルHPCwire Japan https://www.hpcwire.jp/
に連載中の『新HPCの歩み』は、すでに2009年に入っております。先週の2009年(d)(第280回)と今週の2009年(e)(第281回)は、「次世代スーパーコンピュータ開発(その四)」「日本政府の動き」です。内容をご紹介します。
2009年11月13日(金)に事業仕分けによってほとんど死にかけた次世代スーパーコンピュータ計画は、関係者の働きかけが実って予算縮減の上で復活する見通しが立ちました。指摘を踏まえて、「次世代スーパーコンピュータ計画を含む形で、多様なユーザーニーズに応えるため、全国の主要なスパコンと次世代スパコンをネットワークで結び協調的に利用できる環境を整える「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築計画」とすること」として予算案に入れられました。川端文部科学大臣は「国内にスパコンは20台以上あり、次世代スパコンを含めて総合的に使える世界初のシステム開発ができたら素晴らしい」と構想を語りました。結果的には良かったと思います。
事業仕分けの委員であった金田康正氏は、これを批判し、富士通のSPARC64 VIIIfxを搭載したボードは、Blue Watersなどに使われるIBM社のPOWER7のボードと比べて技術が劣っていると批判しましたが、ご存じのように、IBM社は2011年、技術的問題によりBlue Waters計画から撤退します。
次世代以外の日本政府関係の動きでは、リーマンショックによる経済危機対策として、政府は最先端研究開発支援プログラム(FIRST)を創設しました。私学では、最先端研究者を取られてしまうのではとの危惧が議論となりました。
文部科学省は、先端研究施設共用促進事業により、大学や独立行政法人等の研究機関が保有するスーパーコンピュータ等の最先端の研究施設・設備を、広く産業界などに開放する枠組みができました。有償利用によって得た利用料収入を活用する道も開けました。
地球シミュレータセンターでは第2世代のES2(NECのSX-9/E)が稼働を開始しました。JAXAでも、FX1を中心とするJSSが稼働しました。
次回は、日本の大学センターと日本の学界の動きです。
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小柳義夫

