2009年のHPC(その四)

HPC関係者の皆様
 
「平成の語り部」小柳義夫です。電子ジャーナルHPCwire Japan https://www.hpcwire.jp/
に連載中の『新HPCの歩み』は、すでに2009年に入っております。先週の2009年(f)(第282回)は「日本の大学センター等」と「日本の学界」、今週の2009年(g)(第283回)は、「国内会議(その一)」です。
 
名古屋大学情報連携基盤センターは、2009年情報基盤センターに改組され、富士通のFX1を中心とするシステムを導入しました。
 
理研は新しいシステムRICC(RIKEN Integrated Cluster of Clusters)の稼動開始を発表しました。これは3つの異なる用途の計算サーバシステムを統合したシステムです。
 
次世代スーパーコンピュータ計画の戦略分野5の基軸として筑波大学計算科学研究センター、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、国立天文台の三者は覚え書きを交わして計算基礎科学連携拠点(JICFuS)を設立しました。
 
私も関係していましたが、神戸大学、九州大学、愛媛大学、金沢大学による文部科学省大学院教育改革支援プログラム 大学院GP (Good Practice) 「大学連合による計算科学の最先端人材育成」は4年目を迎えました。
 
次世代スーパーコンピュータ計画に合わせて、宇川彰(筑波大学)を中心に岩波講座『計算科学』出版の計画が始まりました。運転開始に合わせる計画でしたが、なかなか難航しました。
 
円周率πの高精度計算は、T2Kつくばを用いて2兆桁(十進)超えを達成しました。これを見て、フランスではわずか1000憶桁多い結果を、PCを131日動かして出しました。たぶん、筑波大学の結果を見て、わずか上回るよう計算を始めたものと思われます。コスいですね。このころから、時間さえかければPCで円周率の多倍長が計算できるようになりました。次の年には、長野県で大事件が起こります。
 
2009年には、多くのビッグネームの訃報が伝えられました。
 
国内会議では、第1回の多倍長精度計算フォーラムが、工学院で開催されました。大規模シミュレーションでは64ビットでは足りなくなるので、桁をつないでどう高精度を実現するかが議論されましたが、のちにこの技術が、16ビットや8ビットの低精度で、64ビット演算をエミュレートするために活用されることになるのは皮肉です。
 
2月に2008年度のHOKKEが開催されましたが、2009年度から秋に開催することになったので、11月にもう1回HOKKEが開催されました。
 
次回は、国内会議(その二)です。
 
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小柳義夫