2009年のHPC(その七)
HPC関係者の皆様
「平成の語り部」小柳義夫です。電子ジャーナルHPCwire Japan https://www.hpcwire.jp/
に連載中の『新HPCの歩み』は、2009年の終わりに近づいています。先週の2009年(ℓ)(第288回)は「国際会議(その二)」、今週の2009年(m)(第289回)は、「ISC2009」「SC09(その一)」です。
6回目となるACM主催のComputing Forntiersは、例年通りイタリアのイスキア島で開催されました。いつもポスターにはAragonese Castleの写真が出ていますが、会議はここで行われたのでしょうか。次の年度からはイタリア中部の別の観光地に変わります。
OpenMPに関する国際会議IWOMPの5回目がDresdenで行われました。基調講演でOpenMPがGPUに拡張可能かが論じられました。
Palo Altoで開催されたHop-Chips(21回目)では、各社が最新のプロセッサを披露しました。富士通も、「京」に使われるSparc64 VIIIfxを発表しましたが、大きな話題にはなりませんでした。
ISC2009は24回目にして初めてHamburgで開催されました。わたしは行きませんでしたが、会議場も展示場もずっと広くなりました。SCを真似て、盛大なGala Openingで開会しました。
発表されたTop500は日本にとって惨憺たる有様でした。最高位が22位のES2だったうえに、総数も15台に減りました。上位には、ヨーロッパ勢だけでなく、サウジアラビア(KAUST)や中国(上海)も。
第4回目のGreen500が発表され、Cell B.E.とBlueGene/Pのオンパレードでした。
SC09はオレゴン州のPortlandでしたが、2009年(c)に書いたように事業仕分けで次世代スーパーコンピュータ計画が風雲の灯となった直後だったので、上の空でした。会議の合間には日本参加者が額を寄せ合って、復活を要請する決議文の文案を練っていた。事業仕分けのニュースは海外でも知られているようであった。
San JoseでのSC 97において、当時副大統領のAl Gore氏に基調講演を依頼したが、実現せず、司会者から丁重な断り状が朗読されたが(それも実際の講演者には失礼な話だが)、今回実現した。ただ、記憶は不鮮明である。
はっきり覚えているのは、IntelのRattner副社長が、壇上でLarrabeeのデモを行い、SGEMMで1 TFlopsを超えると「実演」したことである。実際には、その二三週後にLarrabeeのプロジェクトの休止が発表された。
三浦謙一氏が、Seymour Cray賞を受賞しました。2006年の渡辺貞氏に続き日本人で2人目となりました。
次回は、「SC09(その二)」です。
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小柳義夫

