Version 21.5
Release Notes原文
当ページは原文の意訳となっております。
1. 新機能について
NVIDIA HPC SDKはCPU, GPU, インターコネクトといったHPCプラットフォーム全体のプログラム開発を可能にするコンパイラとライブラリの包括的パッケージです。
NVIDIA HPC SDK for Linux 21.5の主な新機能は以下の通りです。
- OpenMP target offload機能を正式にサポートしました。V100以降のNVIDIA GPUを搭載したSDKが対応するLinuxシステム上で利用可能です。詳細はHPC Compiler User’s GuideのOpenMP sectionを参照してください。
- HPCコンパイラでArm Neon Intrinsics subsetを実装しました。
-Mneon_intrinsics
オプションを指定することで有効になります。 - NVSHMEMをバージョン2.1.2に更新しました。このバージョンでは従来のAPIに対しいくつかの破壊的変更が行われています。詳細はNVSHMEMのドキュメントを参照してください。
2. リリースに含まれる各コンポーネントのバージョン
各コンポーネントについて、バージョン番号が記載されております。各バージョンについて詳細を確認したい場合は原文の表をご確認ください。
3. サポートされるプラットフォーム
3.1. プラットフォーム要件
Linuxディストリビューション、gcc/glibcの最低バージョン、CUDAドライバの最低バージョンが記載されております。
詳細は原文の表をご確認ください。
3.2. サポートされるCUDA Toolkitのバージョン
NVIDIA HPC SDKは、NVIDIA GPUを用いたプログラムをビルドする場合にCUDA Toolchainの機能を使用します。すべてのNVIDIA HPC SDKは必要なCUDAコンポーネントをインストールディレクトリにインストールします。インストール先のパスは [install-prefix]/[arch]/[nvhpc-version]/cuda です。
GPU用にコンパイルされたプログラムを実行するためには、GPU搭載システムにNVIDIA CUDA GPUデバイスドライバのインストールが必要です。NVIDIA HPC SDKにはCUDAドライバは含まれませんので、適切なCUDAドライバをNVIDIAからダウンロードする必要があります。
システムにインストールされたCUDAドライバのバージョンを確認するためにnvaccelinfoコマンドが利用できます。nvaccelinfoはドライババージョンを最初の行に出力します。
NVIDIA HPC SDK 21.5はCUDA toolchainとして以下のバージョンをインストールし、standaloneでサポートします。
- CUDA 10.2
- CUDA 11.0
- CUDA 11.3
11.2のstandaloneサポートが外れていますのでご注意ください。
NVIDIA HPC SDKの各HPCコンパイラでCUDA toolchainのバージョンを切り替えて使いたい場合、各コンパイラのユーザーガイドを参照ください。
4. 制限事項
- cuda-gdbデバッガにおいて、一定でない境界を持つFortran配列は正しく処理されず、値を問い合わせた場合に誤った結果を表示します。CUDA FortranおよびOpenACCカーネルのステップ実行は部分的にサポートされていますが、正しくない行番号が表示されます。cuda-gdbの追加の一般的な制限についてはドキュメントを参照してください。
- コンパイラオプション
-stdpar
を使用してC++ Parallel algorithmを高速化する場合、各アルゴリズムは仮想関数や関数ポインタ、C++の例外は使用できず、ヒープを指すポインタのみを使用することができ、かつランダムアクセスイテレータでなければいけません。イテレータとしては生ポインタが最適に機能します。 nvc++ -stdpar=multicore
を使用して並列化コードを生成するとき、同じ翻訳単位の中でOpenMPプラグマの変換も有効になります。
5. 廃止事項
- NVIDIA HPC SDK 21.3はKNL (Knights Landing) アーキテクチャのマルチコアCPUサポートを非推奨とします。
- NVIDIA HPC SDK 21.5から、
nvc++
およびnvfortran
コンパイラに-cuda
オプションを指定した際、NVIDIA GPU用数学ライブラリを自動的にリンクしません。 - NVIDIA HPC SDK 21.3から、Keplerアーキテクチャを採用したNVIDIA GPUのサポートは廃止予定機能とします。