Version 23.1
Release Notes原文
当ページは原文の意訳となっております。
1. 新機能について
NVIDIA HPC SDK 23.1にようこそ。NVIDIA HPC SDKはCPU, GPU, インターコネクトといったHPCプラットフォーム全体のプログラム開発を可能にするコンパイラとライブラリの包括的パッケージです。
- HPC SDK 本バージョンは、CUDA 12.0を使用した開発用コンポーネントと、CUDA 11.8および11.0のマルチバージョンのパッケージが同梱されます。
- 本リリースでは、HPC-Xライブラリを含む nvhpc-hpcx Environment module を導入します。これは、既存の nvhpc Environment module によって設定されるデフォルトのOpenMPI 3.xライブラリの代替となるものです。MPIライブラリが不要、または外部MPIライブラリを利用する場合は、 nvhpc-nompi Environment module が提供されます。
2. リリースに含まれる各コンポーネントのバージョン
各コンポーネントについて、バージョン番号が記載されております。各バージョンについて詳細を確認したい場合は原文の表をご確認ください。
3. サポートされるプラットフォーム
3.1. プラットフォーム要件
Linuxディストリビューション、gcc/glibcの最低バージョン、CUDAドライバの最低バージョンが記載されております。
詳細は原文の表をご確認ください。
3.2. サポートされるCUDA Toolkitのバージョン
NVIDIA HPC SDKは、NVIDIA GPUを用いたプログラムをビルドする場合にCUDA Toolchainの機能を使用します。すべてのNVIDIA HPC SDKは必要なCUDAコンポーネントをインストールディレクトリにインストールします。インストール先のパスは [install-prefix]/[arch]/[nvhpc-version]/cuda
です。
GPU用にコンパイルされたプログラムを実行するためには、GPU搭載システムにNVIDIA CUDA GPUデバイスドライバのインストールが必要です。NVIDIA HPC SDKにはCUDAドライバは含まれませんので、適切なCUDAドライバをNVIDIAからダウンロードする必要があります。
システムにインストールされたCUDAドライバのバージョンを確認するためにnvaccelinfo
コマンドが利用できます。
NVIDIA HPC SDK 23.1は以下のtoolcainを含みます。
- CUDA 11.0
- CUDA 11.8
- CUDA 12.0
4. 制限事項
- 本リリースにバンドルされる最新のcuSolverMP (0.3.0) は、UCCとUCXに依存関係を持ちます。cuSolverMPを利用するプログラムを実行する場合、 HPC-Xライブラリを含むnvhpc-hpcx Environment module をご利用ください。または、
LD_LIBRARY_PATH
を以下のように設定ください。
$ LD_LIBRARY_PATH=${NVHPCSDK_HOME}/comm_libs/hpcx/latest/ucc/lib:${NVHPCSDK_HOME}/comm_libs/hpcx/latest/ucx/lib:$LD_LIBRARY_PATH
- 本バージョンにバンドルされるcuFFTMpライブラリ(10.8.1)は、NVSHMEM 2.8.0-1と非互換です。
本リリースは、cuFFTMp 10.8.1 と互換性のあるNVSHMEM 2.6.0-1ブートストラップライブラリを含みます。-cudalib=cufftmp
オプションを利用すると、コンパイラドライバは自動的に旧版のNVSHMEMをRPATHに加え、cuFFTMpライブラリが正しく機能するようにします。
しかし、HPC-X MPIを利用する場合、HPC SDKドライバが設定するRPATHだけでは不十分です。これに対処するためには、LD_LIBRARY_PATH
に以下のように設定ください。
$ LD_LIBRARY_PATH=${NVHPCSDK_HOME}/math_libs/11.8/${CUDA_VERSION}/compat/nvshmem_2.6.0-1:$LD_LIBRARY_PATH
注意:-cudalib=cufftmp,nvshmem
は動作しません。 - Hopperベースのシステムにバンドルされる OpenMPI 4 または HPC-X を使用する場合、 CUDA P2P は無効化されます。
- HPC SDK 23.1に同梱される HPC-X 2.13 は、CUDA 12.0をサポートしていません。
- HPC-Xを利用する前に、利用者は hpcx-init.shスクリプトを実行するよう注意が必要です:
$ . /proj/nv/Linux_x86_64/dev/comm_libs/hpcx/hpcx-2.11/hpcx-init.sh
その後 hpcx_load を実行してください。:
$ hpcx_load
これらの作業によりHPC-Xを利用するために必要な重要な環境変数を設定されます。 また、もしMPIジョブを実行中にHPC-Xの以下の警告メッセージが表示された場合には、性能が低下するかもしれませんが、実行は継続され警告のみです。
WARNING: Open MPI tried to bind a process but failed.
これは既知の問題で以下のように対処することができます。:
$ export OMPI_MCA_hwloc_base_binding_policy=""
- sourced allocationまたはallocatable assignmentで利用される、サイズが0のタイプ派生allocatable componentを持つ派生タイプのオブジェクトはセグメント違反が発生する可能性があります。
- C++の並列アルゴリズムを高速化するために
-stdpar
を利用する場合、アルゴリズムの呼び出しにおいて、仮想関数呼び出しや、関数ポインタによる関数呼び出し、C++例外を含むことができません。ヒープを指すデリフェレンスポインタのみを利用し、ランダムアクセスイテレータを利用する必要があります(通常のポインタをイテレータとするのが最善です)。
5. 廃止事項
- Ubuntu 18.04 のサポート終了に合わせ、HPC SDK 23.5 で当該OSのサポートは削除される予定です。
- CUDA Toolkitの次期バージョンのリリースに伴い、HPC SDK “multi” パッケージに含まれる3種のCUDAバージョンは更新されます。
- CUDA Fortran texturesはCUDA 11.0, 11.8で非推奨となり、CUDA 12.0では削除されました。
- CUDA Fortranでの
cudaDeviceSynchronize()
は非推奨となり、デバイスコードでのサポートは削除されました。ホストコードでは、現在もサポートされています。 - NVIDIA HPC SDK 21.11から、HPC-XパッケージはPOWER向けのパッケージには含まれません。
- NVIDIA HPC SDK 21.5からNVC++とNVFORTRANの
-cuda
オプションはNVIDIA GPU数学ライブラリを自動的にリンクしません。-cudalib
オプションを参照ください。 - NVIDIA HPC SDK 21.3からNVIDIA GPUのKeplerアーキテクチャのHPCコンパイラサポートは廃止されました。
- NVIDIA HPC SDK 21.3からNVIDIA HPC SDKのKNLアーキテクチャサポートは廃止されました。