19.1以降にバージョンアップするお客様へ FlexNetライセンスマネージャーの変更のお願い
PGI 19.1 以降、FlexNet license manager のデーモン lmgrd ソフトウェアが新バージョン11.16.2 に更新されました。PGI 19.1 以降にバージョンアップする際、当該 lmgrd ソフトウェアを使用するために新しい$PGI/linux86-64/2020/bin/lmgrd.rc を /etc/init.d/lmgrd-pgi にコピー(入れ替え)して、ライセンス・デーモンの起動をお願いいたします。過去のバージョンで使用していた lmgrd デーモンでは、PGI 20.x、PGI 19.x は動作しません。特に、ネットワーク・フローティング形式で利用する環境のライセンスマネージャは、過去のバージョンで使用していた lmgrd デーモンをそのまま使用してしまいがちですので、ご注意ください。
ライセンスマネージャのセットと再起動(以下の STEP 5 )をお願いいたします。
STEP 2 : インストールのための準備
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① 現在、動いている FlexNet ライセンスマネージャ を停止する
(バージョンアップの場合のみ行う) |
この操作は、「FlexNet 形式」でご利用の場合のものです。
ルート権限でログインしてください。FlexNet ライセンスマネージャの起動・停止スクリプト lmgrd-pgi(or lmgrd) を使用して、以下のコマンドでマネージャを停止します。この後、FlexNet
ライセンスマネージャ (lmgrd) がシャットダウンされたと言うメッセージを確認します。なお、マネージャの停止時においては、現在動作しているライセンス・ファイル(license.dat)
を使用しますので、マネージャを停止する前に、新しいライセンスによる license.dat の更新は行わないでください。
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# /etc/init.d/lmgrd-pgi stop
もし、lmgrd-pgi と言うファイルが存在しない場合、lmgrd あるいは、
lmgrd.rc と言う名称で登録されている可能性があります。
その場合は、ls コマンドで lmgrd が存在することを確認し、
以下のようにしてください。
# /etc/init.d/lmgrd stop
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(注意)
もし、上記の "lmgrd-pgi" あるいは、"lmgrd"、"lmgrd.rc"
が存在しない場合は、「システム起動時におけるライセンスマネージャの自動立ち上げの設定」が行われていない可能性があります。この場合は、以下のコマンドを使用して、ライセンスマネージャの停止を行ってください。なお、以下のパスは、現在、動作しているコンパイラのバージョンを 2019 とした場合のものを想定したものです。適宜、現在動作しているバージョン番号に変更してください。
$ /opt/pgi/linux86-64/2019/bin/lmgrd.rc stop
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② 現在のライセンスのバックアップを取る
(バージョンアップの場合のみ行う) |
現在の PGI ソフトウェアがインストールされている場所(デフォルトは /opt/pgi) に移動して license.dat の存在を確認してください。旧バージョンをそのまま残し、/opt
あるいは、/opt 配下のディスク容量に余裕がある場合は、旧バージョンをインストールした「同じ場所」にインストールすることをお勧めします。旧バージョンの削除の方法は、こちらへ。
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# cd /opt/pgi (今までの PGI 2019 がインストールされている場所)
# ls
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license.dat を念のために、別の名前に変えて退避してください。これは、現在取得している 過去のバージョンの ライセンスですが、新しい
2020 用のライセンスは、後で米国 PGI 社のサイトから取得します。
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# mv license.dat license.dat.backup
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③ root のシェル初期設定ファイルの設定あるいは変更
(新規インストールでは、新規設定を行い、
バージョンアップの場合は既存ファイルの変更) |
新規インストールの場合は、以下の環境変数を設定してください。
バージョンアップの場合は、root ユーザのシェル初期設定ファイル(/root/.cshrc等)がすでに存在しているので、以下のように各種パスの設定を一部変更します。 (
“linux86-64/2020/” の 2020 の部分はソフトウェアのメジャーリリース番号を表します) 変更する部分は以下の太字の部分です。即ち、現在 2019 となっているものを 2020 に変更してください。もし、このファイル内に以下の記述がなければ、下記の内容を追加してください。以下の例は、64bit Linux 用の設定です。
また、PGI 2020 をインストールするディレクトリが、/opt/pgi の場合は、以下の環境変数 "PGI" を/opt/pgi としてください。
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(64bit 環境の場合)
cshまたは、tcshの場合、/root/.cshrc等に以下のような記述を加えて下さい。
setenv PGI /opt/pgi (コンパイラの installation directoryを定義)
set path = ( $PGI/linux86-64/2020/bin $path )
setenv MANPATH "$MANPATH":$PGI/linux86-64/2020/man
setenv LM_LICENSE_FILE $PGI/license.dat
shまたは、bashの場合、/root/.bashrc等に以下のような記述を加えて下さい。
システム管理者が全ユーザに反映できるように /etc/bash.bashrc ファイル、
あるいは /etc/profile.local 等に以下の環境変数を設定している場合もあります。
export PGI=/opt/pgi (コンパイラの installation directoryを定義)
export PATH=$PGI/linux86-64/2020/bin:$PATH
export MANPATH=$MANPATH:$PGI/linux86-64/2020/man
export LM_LICENSE_FILE=$PGI/license.dat
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上記の変更を加えた後、 source .bashrc 等で現在の環境変数設定値を flash してください。あるいは、ログアウトの後、再度ログインしてください。
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④ Linux上の必須パッケージの導入 |
(重要) PGI 12.1 以降では、Linux 上に Linux Standard Base(LSB) package の実装が必須です。PGI ソフトウェアのインストール前に、必ずご確認下さい。これに関しての FAQ として、Ubuntu関連、SUSE 関連、RedHat関連 をご用意しております。
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STEP 3 : 新バージョンのインストール
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① ダウンロードしたファイルの展開 |
インストールは、 root 権限で実行してください。ダウンロードしたpgilinux-2020-19*-x86_64.tar.gz (64bit用) ファイルを /tmp 配下におきます。 /tmp/pgi 配下にテンポラリな pgi のファイルを展開します。3 GB 以上のサイズで展開されますので、必ず、/tmp エリア内に展開してください。
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(64bit 版ソフトウェア)
% tar zxvf pgilinux-2020-20*-x86-64.tar.gz
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(以下、64bit版ソフトウェアの場合のコマンド例)
# cd /tmp
# ftp .... to get pgilinux-2020-20x-x86-64.tar.gz file
# mkdir pgi
# cd pgi
# tar zxvf ../pgilinux-2020-20x-x86-64.tar.gz
(展開されます)
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② インストール時のシェルの言語モードの確認 (重要) |
PGI コンパイラのインストールは、環境変数 LANG が英語モードの環境で行う必要があります。 'env' コマンド等で、現在の環境変数 LANG の値を確認してください。もし、日本語モードの場合は、以下のように root
ユーザ上で、環境変数 LANG を英語モードに設定してください。なお、環境変数 LANG は、設定したコンソールのみ有効ですので、同じコンソールにて
PGI コンパイラのインストール(install コマンドの実行)を行なって下さい。 (この設定を行わずインストールした場合、コンパイラは動作しません)
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sh、bash の場合
# export LANG=C(または、export LANG=en_US)
Ubuntu Linux の場合は、以下の変数もセットしてください。
# export LC_ALL=C
csh、tcsh の場合
# setenv LANG C(または、setenv LANG en_US)
Ubuntu Linux の場合は、以下の変数もセットしてください。
# setenv LC_ALL C
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③ インストール・スクリプトの実行 |
展開された配下に、" install "と言うスクリプト・ファイルが存在します。これを実行して、PGI 2020 をインストールを実行します。
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# ./install
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ライセンス許諾に関する質問に対して承諾(Accept)した後、以下のような「インストール手法」に関する問いが現れますので、これは、1 の 「Single system install」 をお選びください。
次に、PGIコンパイラを実装するルート・ディレクトリの確認メッセージが表示されますので、変更がなければそのままEnterキーを押します。ここで表示されるデフォルト・ディレクトリは「/opt/pgi」です。もしここでインストール・ディレクトリを変更したい場合はディレクトリ名をフルパスで入力し、enterキーを押して下さい。
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A network installation will save disk space by having only onecopy of the compilers and most of the
libraries for all systems on the network, and the main installation needs to be done once
for all systems on the network.
1. Single system install
2. Network install
Please choose install option(1-2):
1 <enter> ← (1と入力してenterキーを押します)
Please specify the directory path under which the software will be
installed. The default directory is /opt/pgi, but you may
install anywhere you wish, assuming you have permission to do so.
Installation directory? [/opt/pgi]
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PGI コンパイラの本体部分が以下のメッセージとともに、インストールが始まります。しばらく時間が必要です。コンパイラが正常にインストールされると、以下のように
"Making symbolic links ***" と言うメッセージが記録されます。なお、このメッセージの前に、"Error
”のメッセージが出ている場合は、「インストールが失敗しています」ので、適用している Linux の確認をお願いいたします。
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Installing PGI version 20.x into /opt/pgi
#################################################
(インストール・エラーがある場合は、ここにエラーメッセージが表示される)
If you use the 2020 directory in your path, you may choose to
update the links in that directory to point to the 20.x directory.
Do you wish to update/create links in the 2020 directory? (y/n) y (yとする)
代表ディレクトリの作成を行います。yとしてください。
Making symbolic links in /opt/pgi/linux86-64-llvm/2020
Making symbolic links in /opt/pgi/linux86-64-nollvm/2020
外部パッケージが実装されます。
Installing examples into /opt/pgi/linux86-64-llvm/2020
Installing examples into /opt/pgi/linux86-64-nollvm/2020
Installing PGI CUDA components into /opt/pgi/linux86-64-llvm/2020 (時間がかかります!)
####################### (100%)
Installing PGI CUDA components into /opt/pgi/linux86-64-nollvm/2020
####################### (100%)
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次に、Open MPI ライブラリのインストールを行います。”enter”を押して続けて下さい。
その後、ソフトウェアの全ての実装が終わります
PGI コンパイラとともにインストールされた Open MPI 使用法に関しては、こちらのページに説明しております。
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**********************************************************
MPI
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This release contains version 3.1.3 of the Open MPI library.
Press enter to continue...
Do you want to install Open MPI onto your system? (y/n) y (インストールする場合 y)
Do you want to enable NVIDIA GPU support in Open MPI? (y/n) n (Open MPI の CUDA-aware 機能を使用する場合 y)
※ 上記の問いは NVIDIA GPUdirect 機能を使用する場合だけ y とするが、一般的には n として使わない方を選ぶ
Installing Open MPI 3.1.3 components into /opt/pgi ... Done
Installing ScaLAPACK 2.1.0 components into /opt/pgi ... Done
Note: Open MPI's support for NVIDIA GPUs can be re-enabled at any time.
Refer to the PGI Installation Guide at www.pgroup.com for details.
Installing module files for PGI linux86-64 version(s): 19.1 2020
Done
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これにて、PGIソフトウェアの実装インストールは終了します。
次に、ライセンスキーの取得に関して、以下の設問が画面に現れます。以下は、新しく PGI コンパイラをインストールする場合の例です。この跡で、新しいライセンスキーの取得を行い、/opt/pgi/license.dat としてセットアップすることになります。 |
************************************************************
License Key Management
************************************************************
OTICE: A STARTER 20.1 license key is available at:
/opt/pgi/license.dat-STARTER-20.1
Copy to /usr/pgi/license.dat to use by default,
or point to it with PGROUPD_LICENSE_FILE or LM_LICENSE_FILE.
(中略)
Do you wish to obtain permanent license key or configure license service? (y/n) n
後で、手動でライセンスキーファイルを入手するため、n を選択
(中略)
Do you want the files in the install directory to be read-only? [y,n]
n
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これで、2020 バージョンのインストールが終了します。ライセンスキーの設定等は未了ですので、次の STEP4 にお進み下さい。
インストールが終了したら ダウンロードしたファイルとテンポラリな directory を消去してください。
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# rm -rf /tmp/pgi
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PGI 20.x にバージョンアップするお客様へ
PGI 19.1 以降、FlexNet license manager のデーモン lmgrd ソフトウェアが新バージョン11.16.2 に更新されました。PGI
19.1 以降にバージョンアップする際、当該 lmgrd ソフトウェアを使用するために新しい$PGI/linux86-64/2020/bin/lmgrd.rc
を /etc/init.d/lmgrd-pgiにコピー(入れ替え)して、ライセンス・デーモンの起動をお願いいたします。過去のlmgrdバージョンでは、PGI
19.x, PGI 20.xは動作しません。
必ず、以下の STEP 5に述べる作業を実施してください
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STEP 5 : FlexNet ライセンスマネージャを再セット、起動
PGI 2020 の FlexNet ライセンス管理の起動スクリプト(lmgrd.rc)をシステム上(/etc 配下)に登録します。
マシンの再起動後に、自動的に FlexNet マネージャを立ち上げるために必要なファイルです。この作業が完了後、現在のセッションで、FlexNet ライセンス管理マネージャを手動起動します。
PGI 20.x にバージョンアップするお客様へ
PGI 19.1 以降、FlexNet license manager ソフトウェアの脆弱性を修正した lmgrd ソフトウェアに更新されました。PGI
19.1 以降にバージョンアップする際、当該 lmgrd ソフトウェアを使用するために、新しい$PGI/linux86-64/2020/bin/lmgrd.rc
を使用して(/etc/init.d/lmgrd-pgi としてコピーして)、ライセンス・デーモンの起動をお願いいたします。
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ライセンスサーバを起動する前の確認事項 |
Linux のシステム上で以下のことを確認して下さい。
1. license.dat の 1 行目の SERVER 行に記された「ホスト名」が、/etc/hosts 内に登録されているか?
2. その「ホスト名」の IP address が、ifconfig コマンドで出力される eth0 ポートの IP アドレスと同じか。
Linuxシステムのネットワーク・インタフェースの論理名が eth0, eth1, eth2, ..., ethX であることを確認する。
(参考)
Ubuntu 15.10 以降の eth0 ポートがない場合の対処
Fedora 16, Red Hat 7以降の eth0 ポートがないことによる license.dat を取得できない問題
3. 当該ホストが固定 IP アドレスを持たない DHCP による設定の場合は、ホスト名を localhost とするか、
もしくは、こちらの FAQ を参考のこと。
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① FlexNet 起動スクリプト(lmgrd.rc)をシステムに登録する |
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新規インストールの時だけではなく、バージョンアップの場合であっても、以下のコマンドの実行を行ってください。これは、システムの再起動時に、自動的に FlexNetマネージャを立ち上げるためのスクリプトを登録するものです。以下の例は、現在まで動作していた
2020 (20.x) 用の /etc/init.d 配下の lmgrd-pgi の内容を「上書き」する処理を行っています。なお、この場合、システム起動時に自動的に立ち上げるランレベルの設定は、すでに以前のバージョンでなされていることを仮定しています。なお、以下に示した
"lmgrd-pgi" と言うファイル名は、任意の名前で結構です。
(注意) 必ず、PGI 2020 にバンドルされた lmgrd.rc ファイルを/etc/init.d/ 配下 の lmgrd-pgi として登録してください。旧バージョン用のlmgrd-pgi が存在するならば「上書き」して下さい。
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【64ビットの場合】
# cp $PGI/linux86-64/2020/bin/lmgrd.rc /etc/init.d/lmgrd-pgi
念のため、現在のシステム起動時に設定されているランレベルを確認する
以下の chkconfig コマンドで、3, 5 が on となっているはずです
# chkconfig --list | grep lmgrd-pgi
lmgrd-pgi 0:off 1:off 2:off 3:on 4:off 5:on 6:off
もし、3, 5 が on になっていない場合は、以下のコマンドを実行してください
# chkconfig --add lmgrd-pgi
----------------------------------------------------------------------
Red Hat Enterprise Linux 7, 8 / CentOS 7, 8 系の場合は、新しい systemctl で
行います。
# systemctl enable lmgrd-pgi.service
lmgrd-pgi.service is not a native service, redirecting to /sbin/chkconfig.
Executing /sbin/chkconfig lmgrd-pgi on
あるいは、デフォルトでは chkconfig コマンドが実装されていませんが、旧ネットワーク
コマンドもインストールしている場合は、以下のコマンドでも登録できます。
# chkconfig lmgrd-pgi on
# chkconfig --list
lmgrd-pgi 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off
-----------------------------------------------------------------------
Ubuntu Linux の場合は、chkconfig コマンドがないため、
sysv-rc-confコマンドを使用します。
# cd /etc/init.d
$ sysv-rc-conf lmgrd-pgi on
# sysv-rc-conf --list | grep lmgrd-pgi
lmgrd-pgi 1:off 2:off 3:on 4:off 5:on
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② FlexNet ライセンスマネージャを手動起動する |
次に、現在のセッションで、本作業の最初に停止した FlexNet マネージャの手動再起動を行います。OS により、以下のどちらかで起動してください。これで、全てのインストール作業の終了です。なお、ライセンスマネージャに関わる詳細については、ご提供しました「インストールの手引き」を合わせてご覧ください。
また、デーモンが正常に起動したかの確認方法は、ps コマンドで lmgrd プロセス, pgroupd プロセスの存在をご確認ください。
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# /etc/init.d/lmgrd-pgi start
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Ubuntu Linux の場合は、以下のメッセージが出ます。
WARNING: /usr/tmp must exist for FlexNet license daemons to work.
Either create the directory /usr/tmp or make /usr/tmp a
symlink to /tmp.
/usr/tmp が必要となるためですが、これを /tmp にシンボリックリンクします。
# cd /usr
# ln -s /tmp tmp
# ls -l
lrwxrwxrwx 1 root root 4 1月 5 17:21 tmp -> /tmp
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※ FlexNet ライセンスマネージャの起動に係るトラブルを記録したログファイルに関しては、こちらのFAQをご参照ください。
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